たっきーの頭の中

思いついたことを書き留めるブログ

俺(20代、男性)は何故、「ふたりはプリキュア」を観て泣いたのか。

勢いで書き始めたけどまさか、こんな長文になるとは思わなかった。

タイトルはなんじゃこりゃって感じだけど、今までで1番書きたかったものが書けたと思う。記事を書く手が止まらなかった。

 

とにかく、読んでほしい。

 

 

 

 

 

 キッカケ(読み飛ばしてもらっても構わない)

プリキュア」ってあるじゃん?

 

女児向けアニメなんだけど、大きなお友達にもたくさんのファンがいる。●藤ライフとか。

初代の「ふたりはプリキュア」から今年で15周年を迎えたから、最近いろいろやってた。

グラブルコラボやらニコニコ一挙放送やら。

俺の妹がドンピシャ世代でブラウン管のアナログ放送で見ていたような・・・ぐらいの記憶しかなかったんだ。

女子なのに格闘がすごい!キャラクターがかわいいブヒ!くらいのイメージだったんだ。

 

見てみた。

泣いた。マジで。

最終回まで止まらなくなった。二期も映画も一気に見てしまった。

 

子供も大人も関係ない。むしろ大人が作っているんだから、大人も見るべきなんだ。

知ってほしい。ファンの間では「伝説の8話」と言われている初代ふたりはプリキュア第8話で何が描かれたのか。なぜ、プリキュアが15年も続いたのか。

たぶんもう何百回と話された内容だろうけど、それでも俺も何か残したい。

そう思い、この記事を書く。

 

本題:「伝説の8話」は、如何にして「伝説」になったか

 

本当は観てほしいんだけど、きっとみんな時間がないからざっくり教えてあげる。

なお、見どころの一つである熱い戦闘シーンについてはほぼ触れない。この記事で俺が伝えたいのはそこではないのだ。

ふたりはプリキュアの概要

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グラブルコラボの時の画像

主人公は美墨なぎさキュアブラック、画像左)と雪城ほのかキュアホワイト、画像右)。

二人とも普通の私立中学2年生(ここ重要)。

なぎさはラクロス部に所属し運動が好きだけど勉強は苦手。女子にモテるけど気になっている人がいる。

ほのかは化学部に入っていて成績優秀、好奇心旺盛で同級生からはうんちく博士なんて呼ばれるほど。男子にモテるけど本人は興味ない。(一応お互いに尊敬できる人と付き合いたいと言っているが釣り合う人はいないだろう)

黒と白がイメージカラーになっている通り完全に正反対。見事に。

 

進級して初めて一緒のクラスになったため、お互いを「美墨さん」「雪城さん」と苗字で呼んでいる。

ある日突然現れた謎の生き物、メップル(画像左の黄色いの)とミップル(画像右のピンク色)に闇の勢力ドツクゾーンの魔の手から守ってほしいと頼まれる。

部屋に飛び込んできたメップルをなぎさが、自宅の蔵に眠っていたミップルをほのかが手にし、それぞれ導かれ近所の遊園地でふたりは出会う。

ドツクゾーンからの刺客に襲われ、なりゆきでプリキュアに変身し、悪と戦いながら学校生活を送ることになる。

2話から7話まで(ネタバレ、解説)

重要な部分をかいつまんで書くつもりだったが、正直7話まで全話見るべき点がある。すごい(小並感)

 

まず2話。

世界を守るとかありえないというなぎさ。なんだかおもしろそうというほのか。既に正反対。

ふたりが話していると、教室にサッカーボールが飛んでくる。マジであぶねぇ。

それを手に怒りにいくなぎさだが、イケメンを見て赤くなってしまう。話したこともないが、イケメンというだけで気になっている人だったのだ。

(この後このイケメンは藤村君という名前で、性格もイケメンであることがわかるので一安心。)

 

3話。初めてなぎさがほのかの家に上がる。

ほのかのおばあちゃんは、ほのかは部屋で本ばかり読んでいるから「友達」が来るのは久しぶりだという。ここも小さいけど大切な伏線の一つ。持っとけ。

 

4話。社会科見学で美術館に行く話。

ここは8話には大きく作用しないので飛ばしても構わないがシンプルに面白いのでやっぱり観ろ。強いなぎほの成分を含む。

 

5話。8話を語るうえで最も重要な回。

休日に「メップルがミップルに会いたいから」雪城さんに会いに行く。

彼らは恋人でところかまわずラブラブする習性がある。かなり厄介。

ほのかの家の前でメップルは「ミップルとは固い愛で結ばれているから早く入れ」と急かすのだがそれになぎさは、

「あなたとメップルはそうでも、私と雪城さんはそうじゃないの!」と返す。

現状の二人の距離感を(なぎさから)的確に表したセリフだ。

特になぎさから見て「雪城さん」は同じクラスのお嬢様であり、理由がないと休日にわざわざ会うような人ではないのだ。2週目の俺らにはかなりくるセリフ。

 

無事会えてラブラブしだした二人を放置してベンチで話すなぎほの。

ほのかは「ボーイフレンドとかいないの?」となぎさに聞く。(友達と話す機会が少ないためかついついストレートに言ってしまう。頭はいいがコミュニケーションにおいて抜けているというほのかの特徴が出ている。)

 

女性にばかりモテるというなぎさに素敵な女性である証拠じゃない!と励ますほのか。わざわざ言葉にするのも無粋だが、こういう全く別の視点を持っていてお互いをプラスにしていける二人、尊い

 

その流れで食事に行くことに。デートじゃん。デートじゃん!!

お互いの食べたいものを出し合うのだがやっぱり合わない。

結局なぎさの好物のたこ焼きを食べることに。

食べ終わると、次はどこへ行こうという話に。

ほのかが図書館の案を出すが、そこで何するの?といわれ、結局「美墨さんの行きたい場所にしましょう」と返す。

 

今度は服屋に行く二人。

「美墨さんって面白いわね。一緒にいるととっても楽しい!」とほのか。

でもなぎさは、口ではそういっても無理して合わせてもらっていると感じ居心地が悪いとメップルに零す。

ほのかは本当にそう思っているのだが、伝わらない。

ここは本当にもどかしい。難しい。言葉の限界なのだろうか。アアッ

 

 

6話でプリズムストーンドラゴンボールのように重要な石。悪の連中はこれを光から奪おうとしている)を守る「石の番人」が登場。5話で手に入れたプリズムストーンを彼に託す。

彼はプリズムストーンを持ってきてくれたお礼に「プリキュア手帳」をプリキュアの二人に授ける。

(当時流行った「交換日記」のようなもので、書いた文字が消えてライトで当てると見えるという代物。流石子供が欲しがりそうなものを作るプロだなと素直に感心した)

一見へんてこな見た目の石の番人だが、彼の「プリキュア手帳を二人に授ける」というファインプレーは後世に末永く語り継がれるべき。このプリキュア手帳は「伝説の8話」を最も盛り上げるのだから。

 

7話はなぎさがラクロスの試合に臨む回。

ほのかはなぎさの試合に応援に来てくれるのだが、隣には2話でも出てきたサッカー部のイケメンが。

二人の関係が気になって集中できず、初戦で負けてしまうなぎさ。ここでも中2女子という思春期真っ只中の女の子のもどかしくなる心の揺れが描かれている。素晴らしい。

思い切ってほのかに聞いてみるなぎさ。すると、彼は藤村君といい幼馴染で兄ような存在だという。

心の引っ掛かりが取れたなぎさは見事試合で勝利することができた。

めでたしめでたし…ではなく。

次回予告は「プリキュア解散!?ぶっちゃけ早すぎ!」なのだ…

 

そして、8話。

最終回でも何でもないが、ここに至るまでの様々な描写が収束し、伝説へと昇華する。

 

校舎で友達としゃべっているなぎさ。

窓から見える下の階に藤村くんを見つける。

藤村くんにほのかが駆け寄ってくる。

兄のような存在と言ってはいたものの、やはり幼馴染で昔から親しかったし、彼女のほうが成績優秀でお似合いということが引っ掛かっているのだ。

あぁ青春。乙女の心難しき哉。

 

ほのかの部屋。

ほのかはミップルからなぎさは藤Pのことが気になっているということを聞く。

おばあちゃんから、「あの元気な子と一緒にいるときのあなた、とっても楽しそうだったわよ」と言われるほのか。友達が少なかった彼女にとってはうれしいこと。

「友達かぁ…」うれしそう。

 

次の日の朝、なぎさがほのかに声をかけられて振り返るとそこには藤Pが。

ほのかはなぎさが話したがっていた藤Pを紹介してあげようと思っていたのだ。

けれど、「他人」に恋を進められたことに心が乱されるなぎさ。しかもずっと引っかかっていたほのかに。

なぎさはありえないといって走り去ってしまう。追いかけるほのか。

 

 

「余計なことしないでよ…」

「私はただ、藤村君と話せるキッカケができればと思って…」

「それがおせっかいだっていうのよ…勝手に決めないで!私がどうしたいかなんてあなたにわかるわけないじゃない!自分の考えてることはいっつも正しいとでも思ってるの?ちょっと無神経すぎるんじゃない?」

 

手をつかむほのか。振り払うなぎさ。

 

「あんたなんてプリキュアってだけで、友達でも何でもないんだから!」

(ここで電車の通過音。ほのかの心がざわついている表現。文学的。)

 

わずか1分ほどのやり取りなのだが、とにかく圧倒される。

ふたりのわずかな心の揺れが表情によく出ている。

 

 

放課後、下駄箱で同じ部活の友達2人と話しているなぎさ。

そこにほのかが現れる。気を使って先に帰る友達二人(こういうところも女子が的確に表現されている)。

「なにがあってもあたしたちはなぎさの味方だよ。私たち、友達でしょ!」と友人。

ここでほのかが切なそうな表情を一瞬見せる。「友達」というフレーズがいちいち重い。ウッツライ

「今朝のことはごめんなさい。いろいろ考えたけど、わたしがこれを持つ資格はないと思うの…」とポケットからメップルを出しなぎさの手に渡し、校舎へ走っていってしまう。このシーンもほんと切ない。

 

それぞれの家で落ち込んでいる二人。ふとプリキュア手帳を思い出し、何かを書き込む。

 

次の日、やっぱり自分が悪いと仲直りしようとするなぎさ。「ゆっきしろさん!」と昼休みや掃除の時間など様々なタイミングで声をかけるが、気まずいほのかは逃げて行ってしまう。そう簡単にはなぁ…

 

神社で神頼みするなぎさ。「仲直りできますように!」

そこに現れる敵。偶然通りかかったほのかと一応プリキュアに変身するが、「もたもたしない!」「もたもたなんてしてない!」と喧嘩している。

敵は口論している二人に無視するな!と怒るのだが、「今は大事なお話し中!」と必殺技を打たれる。哀れ。

プリキュアマーブルスクリューは二人の心、感情のエネルギーを放出しているためかこの時はものすごい威力が出た。具体的に言うと敵が星になった。)

 

敵に襲われたとき散らかったカバンの中身を集めて帰る二人。「さよなら」がなんだか悲しい。

 

 

ここからだ。

 

ふたりは家族に喧嘩をしてしまったことを打ち明ける。

 ほのかはおばあちゃんから「合うか合わないかじゃなくて、あなたがどうしたいかでしょう?」と。

なぎさは母から「喧嘩することは悪いことじゃない。どうでもいい人とは喧嘩なんてしないでしょう?」と。

 

プリキュア手帳を取り違えていたことに気づく二人。

「これ、美墨さんの」「これ、雪城さんのだ」

この時初めて、ふたりはプリキュア手帳に書き込まれたお互いの本当の想いを知ることになったのだ。

 

「けんかは、きらい。」

「良かれと思ってしたことで彼女を怒らせてしまった。」

(なぎさはポエムのよう。ほのかは漢字が多い。)

 

「雪城さんのこと、もっと知りたい。」

「私たちは全然違う。でも、一緒にいるととても楽しい。美墨さんと、友達になりたい。」

 

『二人がずっとこのままなんて、ありえない。』

 

書いた文字がそのままでは読めない、という特徴があるからこそ他人に見られたくない、心からの言葉。本当の気持ち。

 

そして喧嘩した河川敷。

なぎさが座っているとほのかが。

「これ、『なぎさ』のでしょ?」

「えっ…?」

 

一瞬の間。

「あの…」

 

ほのかの手を取るなぎさ。 

「行こう、『ほのか』!」

「うん!」

 

喧嘩して、仲直りして、もっともっと仲良くなる。

美しく、純粋な友情。

宝物、だと思う。

 

これを見たとき、いろんな感情が渦巻いた。

美しい、うらやましい、素晴らしい、欲しい、尊い

後悔、かもしれない。今後、人生でもう手に入らないものかもしれない。

そして、俺は泣いたんだ。

 

最後に

もし最後まで読んでくれた人がいたら、本当にありがとう。

15年前の子供向けアニメに胸打たれてこんな長文書いちゃって。でも本当に感動したから、こうして文章にして少しでも知ってほしいと思った。

文章で書ききれない描写が本当に惜しい。

ここで触れた二人の「友情」以外にも、プリキュアにはたくさんのテーマがあって。

かけがえのない日常、家族、あきらめないこと。

いろんな大切なことを、このアニメは教えてくれる。

見てほしい。せめて8話まで。

 

プリキュアは、いいぞ。